歪み

「私、当事者じゃないから
真柚は悪くないなんて言えないけど
これだけは言わせてね。
私…真柚の事、大好きだよ」

花奈の言葉がすとんと胸に落ちてくる。
友達って暖かいね。

ねぇ紅梨。
あたし達ちゃんと向き合えてたら
今も一緒に居られたのかな?
過去はもう消せないから。
今でもあたしにとって紅梨は親友だよ。

「ありがと、花奈。
あたしも好き。大好き」

「私、もう一つ謝らなきゃ。
有君がね1回
“橘さんが泣いたとこ見たことある?”
って聞いたことがあって。
その時私有君に真柚の事話してなかったから
何で知ってるんだろうって思って
“何で?知り合いなの?”って聞いたの。
そしたら“俺の一方的”って言って。
もしかして真柚に
片想いしてるんじゃないかって思って
嫉妬しちゃったの、私。
そんな権利私にないのにね。
だから…ごめんね」

「え…?」

花奈が謝ったことよりもその内容に驚いた。
あたしが泣いたこと?
何でそんなこと聞いたの?
一方的って何?

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