歪み

02


「真柚、紅梨っ!俺受かってたよ!」

「あたしも。受かってた。
…紅梨?紅梨は…どうだった?」

「ははっ笑っちゃうね。
うちだけ見事に落ちたよ」

紅梨の乾いた笑いに何も返せない。
何を言っても紅梨には届かない。
けど、馬鹿なあたしは信じてた。
あたし達はきっと戻れるって。

「喜んだら?
うちいない方が楽しいよ、きっと。
邪魔だものね。そうでしょ、真柚?」

「…っそんなことない。
紅梨がいなきゃ…紅梨いなきゃ駄目だよ」

「そうだよ紅梨。
後期があるじゃねーか。
それに真柚に当たったって仕方ないだろ」

止めて、あたしなんか庇わないで。
一瞬にして紅梨の顔色が変わる。

「…同情なんて、いらない。
これでいい。後期は受けないよ」

「待ってっ」

どうすれば…どうすれば紅梨に届くの?
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