歪み
本当は全部嘘。
親と約束なんかしてない。
今更こんな事して何になるのか。
紅梨と拓が付き合えば良いと思ってた。
たとえ自分の気持ちを押し込めてでも。
少しでも胸の罪悪感を消したくて。
卑怯で最低な自分。
どんどん空っぽになる心。
必死に泣くのを堪えてたら裏庭が見えた。
あそこなら人がいないかもしれない。
ぽーっと裏庭に向かった。
人が居なくなったことで安心したのか
ぼろぼろ涙が溢れてきた。
訳もわからずただ
「ごめんね…ごめんね…」と謝り続けた。
もうどうしたらいいのかわからなかった。