歪み
「拓、昨日紅梨に告られた…よね?」
「うん」
間違いであってほしいと思う。
あたしが勘違いしただけ。
「何て返事したの?」
「好きな人がいるからごめんって」
紅梨と付き合うとばかり思ってた。
でも心の何処かで安心てしまった。
その感情が後ろめたかった。
感情が渦巻いて、息苦しい。
紅梨は何を思っただろうか。
あたしは何をすべきなのか?
「っあたし、紅梨のとこ…行かなきゃ」
「待てって!最後まで聞けよ」
急に腕を掴まれて動揺する。
あたし…諦めきれてない。
拓には好きな人がいるのに。