歪み
ひたすら無言で歩くあたし達。
本当は一緒になんていたくないのに。
早く、早くあたしのことなんか
嫌いになって欲しいのに。
脳裏に浮かぶ紅梨の顔。
“どうせ馬鹿にしてんでしょ。
真柚は何もしてなくてもモテるもんね”
そんなことないって言ってももう届かない。
「まだ引きずってんの?」
「だったら何」
「真柚のそんな顔見たくない」
なら、もう放っておいてよ。
あたしはもうあなたのこと好きじゃない。
「拓は…どうしたいの」
「俺は、今も真柚が好きだし諦めてないよ。
紅梨にもきちんと言った」
…止めてよ。
もうそんなの聞いても嬉しくない。