歪み
だんだん学校に来るのが減った紅梨。
どんどんあたしの周りに集まる女子。
正直その会話について行くことも出来ない。
空っぽになっていく心。
誰を信じて頼ればいいかもわからない。
歪んでいくあたしの世界。
好きなはずの拓との時間も会話も
全てが辛くて息苦しくなった。
最低な自分が許せなくて。
でも抜け出すことも出来なかった。
卒業式の前の日だった。
「紅梨、あたし拓に告白するね」
止めてくれると信じて
告白する気なんてないのにそう言った。
「うちが真柚達だけが幸せになるなんて
認めると思った?
認めないから、告白なんて。
それでもするんだったらいいよ。
どっちにしろうちらもう戻れないんだし。
それに…うちだって諦めないから拓の事。
絶対拓はやらないから」
予想してたはずの言葉なのに、
あたしの心を突き刺して離さなかった。