歪み
「やっぱ来た」
ぴくっと反応してしまうこの声。
「何か?」
「ったくもっと優しい返し方出来ないのかよ」
腹が立つ。
あんな…あんな拒絶したくせに。
そんな簡単に話し掛けちゃうの?
何だかあたしが馬鹿みたいで悔しい。
「あたしに話し掛けてる暇あったら
試験勉強したらいいんじゃないですか?」
「教えてくれんの?」
何。何でこんな急に馴れ馴れしいの。
それに…距離が近いし。
香水の匂いきついって。