最高の贈り物〜クリスマスの奇跡
あ、照れてる…のかな?
とにかくドッキリ大成功なのかな?
勝手に大成功だと満足してると、また伊織の手があたしの頭に乗った。
少し驚いて伊織を見上げる。
「…今日マフラーしてねぇのは、お前が返してくるって分かってたからな。
態として来なかった」
ドキッ
ズルいよ、そんな考え。
返しに来るの分かってて、マフラーして来ないなんて…
それで風邪でも引いたらどうするの?
完全にマフラーを借りたあたしのせいじゃんか。
「…ふ、麻衣の匂いがする」
そんなことを言いながら伊織はマフラーを巻いている。
あたしの匂いっていうかただの柔軟剤の匂いだよ?
自分の匂いなんて分からないけど。
あたしってこんな柔軟剤みたいな匂いなのかな?
そんなことを思いながら伊織と一緒にあの時計台へ向かう。