最高の贈り物〜クリスマスの奇跡
「…ごめんね、麻衣。
本当は2年で帰れる予定だったんだけど、いろいろと問題が発生して帰ってくるのに5年もかかった」
でもおかげでもう元気になったんだよ?
そんなことを言って笑ってる裕也。
何で笑ってんのよ、バカ。
あたしはもう裕也は死んだって思うように覚悟して諦めようとしてたのに……
笑って帰って来るなんて、ズルいよ。
怒りたいのに怒れないじゃんか……
ぎゅっと裕也の背中に腕を回して力強く抱き締める。
あぁ、この感じ。
身長も中学の時よりも20cmくらい伸びてるのに、体型も筋肉質になってるのに。
抱き締めた感触は全く変わらない。
やっぱり、やっぱり裕也だ……!
ずっと待ってた、5年も待ってた。
待ってた時間は長かったけど、会ってしまったらもうあっという間だった時間に感じる。
それくらい裕也を近くに感じる。