最高の贈り物〜クリスマスの奇跡
「…麻衣、5年経って綺麗になった。
前からずっと綺麗だったけど」
ゆっくりと裕也の手が伸びてきて、あたしの頬に触れる。
その手がすごく温かくて。
またジワリと涙が溢れてくる。
「…ふ、麻衣泣きすぎ」
「…だって、だってぇ〜」
また流れ出した涙。
すると裕也の顔が近づいてきて、あたしの目から流れる涙を唇で掬う。
一粒も地面に落とさないように、唇で掬う。
その唇の感触は懐かしくて、中学の頃からずっと覚えてた感触。
あぁ、いるんだここに。
裕也はあたしの目の前にいるんだ。
大好きな、世界で1番愛おしい人が目の前にいる。
そう思うと待ってて良かったなって思えるの。