キケンなアイツとの生活
冬弥さんに、キス…された。わたしの、ファーストキス…。それが……。


『……オレをアイツだと思えばいいよ』だなんて…。そんなこと、思えるわけがないのに…。


湯船の中は、とても温かくて、むしろ少し熱いくらい。たぶん、カラダが冷えてたんだろうなぁ。


湯船でクチビルに指を当てると、さっきのキスを思い出して、顔が熱くなる。


「ホントに、キスしちゃったんだ……」


言葉にすると、余計に意識して、恥ずかしくなる…。このあと、どんな顔して会えばいいのか分からないんだけど…。


だけど、そうも言ってられない。このままここにいても、のぼせるだけ…。そう思ったわたしは、のぼせる前に上がることにした。


「あれ…いない…」


さっきの部屋に戻ると、冬弥さんの姿が見当たらなかった…。


「わたしが、蒼甫の話しちゃったからかな……」


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