キケンなアイツとの生活
学校から離れたところに停めてと、お願いしたのに、ガッツリ校門前に横付けするから、目立つったらありゃしない。


笑顔で手を振る冬弥さんに、膨れっ面のまま、わたしは車から降りた。


「愛梨ーっ!見たよ、見たよー!!車で登校なんてズルイぞー!!」
「あー、優ちゃん…」


ほらね。こういうことがあるから、横付けしてほしくなかったんだよ…。


「なんかね、変質者が出るらしいよ最近」
「えっ?ホントに!?」
「でも、きっとあの人の気まぐれだよ。先生だってなにも言ってなかったし、出まかせだよ、出まかせ」


席に着き、カバンから教科書を出し机の中に入れる。その時、一緒に出てきた名刺。


仕方ない、登録しとくか。面倒くさいと思いながらも携帯を操作して、冬弥さんの番号とアドレスを登録した。


「席着けー」


登録し終わったところで先生が教室に入ってきた。


「まず最初に。先生、昨日みんなに伝えるのを忘れていたんだが。最近な、この辺で変質者が出るそうなんだ」


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