千恋☆ロマンス Ⅱ
「それで……どれを着る?好きなのを選びなよ。」
好きなの……か。
志紀はそういうけど、選ばなかった方に失礼だよね……。
「永遠、選んで!」
『えっと……』
急かされても!
「とわっちゃん!」
『あぁ、もう、じゃあコレ!』
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
そんなこんなでお祭り。
「永遠、似合ってる。さすが梓の見立てたとーーり。」
そう、結局、選んだのは梓が持ってきてくれた浴衣。
いや、どれもホント素敵だったんだよ?
それこそ志紀のなんて祭りに着るのが勿体無いくらいに。
でも、総合的に考えたのよ。
皐月とハルはなんだかんだ言って優しい。
志紀もよく分からないけど、別に断っても殺されはしないと思う。
でも、梓はやばいよね。
選ばなくて怒らせる……なんてなったら、もう1ヶ月は後悔するよね。
という訳で、梓の貸してくれたピンクの浴衣を着ているなうな神内永遠子でございます。
あ、これ、今何処で回想中かと言うと、神社近くの公園。
ちなみにwith 梓と玲です。
「ねーえ、梓可愛い?今日の梓輝いてる?」
自慢の黒髪をアップにして、ほんのり赤い口紅を塗った梓は確かにもの凄い可愛かった。
『うん、誰よりも輝いてる。』
「誰よりもはいいすぎー。一番は玲君だもんねー。」
梓は玲の腕に抱きついた。
玲は梓にグレーの浴衣着せられた。
普段より三割増イケメンだよ、もう!
『玲、浴衣似合ってる!絶対一人にしたら逆ナンされるよ。』
「馬ー鹿。もう普段からされてるでしょ。」
確かにそうだけど!
というかファンクラブが出来る程の人気だけど!
「……逆ナンなんて、嬉しくない。」
「確かにねー。しつこいとやだー。」
『された事無い人は多少は憧れるの!』
この双子は世の中の人全員を敵に回してると思うのよ、うん。