千恋☆ロマンス Ⅱ
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「永遠子ちゃん……永遠子ちゃん。」
『みまっ……美鞠ちゃん!』
美鞠ちゃんは眉をしかめる。
「大丈夫……じゃないよな?」
私、玲のあの……告白……に戸惑いすぎて、上の空になっちゃってる。
幼馴染みとしか、見てなかったけど……これからどうすればいいんだろ。
きっと、目逸らしちゃう。
「……ちゃん、とわっちゃん。」
ハルに呼ばれてはっとする。
「とわっちゃん、じょーがチュロス買ってきてくれるって。」
『あ……皐月、ありがと。』
「これは……玲君、何かしたね。」
「水口玲は、永遠子ちゃんが好きなのか?」
「かもねぇ。」
ハルと美鞠ちゃんがそんな会話をしてるなんて露知らず、私はさっきの事ばかり考えていた。
でも、視線を感じてふとそっちを見たら、滅茶苦茶美鞠ちゃんに凝視されていた。
『み、美鞠ちゃん?』
「永遠子ちゃん。四聖は男ばかりで、どうせ相談しても当てにならない。主に恋愛系。」
「そんな事ないよー。俺、女の子の相談のるの得意だよー?」
「黙れ甲斐原春輝。不特定多数の女と関係をもった変態が。」
美鞠ちゃんは淡々とハルに毒を吐いた。
「永遠子ちゃん、間違ってもこの男のアドバイスに耳を傾けるんじゃないぞ。変態になる。」
「失礼な子だよね、みまたんって。」
ちょっと挑発的に言ったハルをきっと睨んで、美鞠ちゃんは1つ咳払いをする。
「とにかくだ。私は永遠子ちゃんに恩がある。だから……相談したい事があったら言え。力にならない事もない。」
美鞠ちゃんがそう言ってくれた時、私はちょっと……ううん、凄く感動した。
だって、ついこの間まで、ただ“敵”っていう関係だったんだよ?
『ありがとう。』
ほんの少し、心が軽くなった。
「永遠子、チュロス食べて元気だせ。」
ちょうど皐月も帰ってきた。
うん、そうだよ。
今日はお祭りなんだよね。
めいいっぱい楽しまなきゃだよね!!