千恋☆ロマンス Ⅱ
さまーさまーばけーしょん
部屋で部屋着でだらだら。
そんな普通の事が最早幸せに思えてきた神内永遠子でございます。
暑いので扉を全開にしていると、通りかかった明希がこっちを見て呆れ顔だ。
いや、たしかに女子高生としては頂けないけど!
床に大の字書いて漫画片手に寝そべるのはアウトかもしれないけど!
『ねーえ、明希ぃ。……姉ちゃんにもやっと夏休み、来たの。だからもうちょっと優しい顔して~。』
七月下旬。
夏休みが始まってすぐに合宿へ行き、そこから美鞠ちゃんの事件へ。
どたばたしたまま8月突入の悪夢か……と思いきや、
「3日間は休みな。また8月から来てよ。」
『理央ちゃんっ……!』
という事で、急遽休みになりました。
と言っても、カミウチの仕事もあるし、実質休みにはならないだろうなぁ……なんて思ってたの。
だけど……
『え、休み?!休んでいいの?!』
3日間春日屋で休暇を言い渡された事をお母さんに伝えると、驚きの答えが返ってきた。
「じいちゃんがね、凄い喜んでるのよー。
永遠子があのいけ好かない相楽に一泡ふかせてやった!ってね。」
『ああ……あのおじさん……。』
「まっ、たまにはゆっくりしなさい!男の子とデートにでも行ってこればいいじゃない。」
『そんな相手いないから!』
そう言うとお母さんは「あらー、本当に私の娘?」なんて言ってきて超余計なお世話だったよね。
たまにはゆっくり……といっても、いつも忙しすぎてやる事がない。
その結果だらだらしてた訳なんだけど。
『暇、だぁ……。』