千恋☆ロマンス Ⅱ








「ところで、永遠……。」



『ん?』



「その髪……どうした?」




玲に言われて後から気づいた梓は顔を真っ青にした。





「永遠!危ない事に首突っ込まないでって、こっちのセリフよ!」



がばっと駆け寄り肩を掴んで思いっきり揺する。




「切られたの?切られたのっ?」



『いや、自分で切った。』



「そっちの方がタチ悪いっ。」





そんな怒らないでよ!





「他には怪我してないか?」



『へーき。』



「もう。永遠の側にいたのに東条君は何してたの?」





『い、いや、皐月は……』




皐月は、その時傷心中だったからね。



「「皐月?!」」


言い切る前に、遮った梓と玲の声。





「いつから名前で呼び合う仲になったのよ!あのチャラ茶髪の毛むしってやろうかしら。」



も、もうだめだ。


こうなった梓様を止めることは出来ない……




『と、ところでっ……2人はどうして来たの?』



「何、用がなきゃきちゃだめなのー?」



話題を変えようとして、逆に窮地に追い込まれるっていうね。



『全然!来てください!』


「嘘よ。永遠、はい、これ。」



『?』



いたずらっ子のように笑った梓から受け取ったのは、1つの大きな箱。




箱を開けようとしたところだった。





「とーわっちゃーん!!」



『……ハル?』





声を聞いてバタバタと降りてく足音は明希ので。


「皐月さん、春輝さん」なんて言って……





皐月?!






「あら、ナイスタイミングー。むしれるじゃーん。」





やっ、やばいよ!



皐月の毛がむしられる!!






< 4 / 26 >

この作品をシェア

pagetop