千恋☆ロマンス Ⅱ
「ところで、永遠……。」
『ん?』
「その髪……どうした?」
玲に言われて後から気づいた梓は顔を真っ青にした。
「永遠!危ない事に首突っ込まないでって、こっちのセリフよ!」
がばっと駆け寄り肩を掴んで思いっきり揺する。
「切られたの?切られたのっ?」
『いや、自分で切った。』
「そっちの方がタチ悪いっ。」
そんな怒らないでよ!
「他には怪我してないか?」
『へーき。』
「もう。永遠の側にいたのに東条君は何してたの?」
『い、いや、皐月は……』
皐月は、その時傷心中だったからね。
「「皐月?!」」
言い切る前に、遮った梓と玲の声。
「いつから名前で呼び合う仲になったのよ!あのチャラ茶髪の毛むしってやろうかしら。」
も、もうだめだ。
こうなった梓様を止めることは出来ない……
『と、ところでっ……2人はどうして来たの?』
「何、用がなきゃきちゃだめなのー?」
話題を変えようとして、逆に窮地に追い込まれるっていうね。
『全然!来てください!』
「嘘よ。永遠、はい、これ。」
『?』
いたずらっ子のように笑った梓から受け取ったのは、1つの大きな箱。
箱を開けようとしたところだった。
「とーわっちゃーん!!」
『……ハル?』
声を聞いてバタバタと降りてく足音は明希ので。
「皐月さん、春輝さん」なんて言って……
皐月?!
「あら、ナイスタイミングー。むしれるじゃーん。」
やっ、やばいよ!
皐月の毛がむしられる!!