千恋☆ロマンス Ⅱ
「永遠子……。」
『皐月、引いてるでしょ。』
私だったら引くもん。
「引いてる。」
ほら、やっぱり。
直接言われると、ちょっと悲しいかな、なんて思ったりして。
「ばーか。嘘だよ。引いてない。逆に強いほうが四仙として頼りになる。」
『意地悪。』
そう言って、私は笑った。
「ねー、この数日の間に何があったの?この会話はなぁに?東条むしるよ?」
一部始終を無言で見てきた梓がついに口を開いた。
微笑んでいるけど、殺意が半端ないよ、梓さん!
てか、何処かの誰かとデジャブだよ、それ。
『そ、そうだ!二人は何で来たの?』
またまたデジャブだけど、会話を変えようとして、皐月とハルの方を見て言った。
「忘れてた。とわっちゃん、はいこれ。」
どこからかハルが取り出したのは大きな箱で。
『また……箱。』
「お前らまさか……」
箱を開けようとした。うん。
でも、それはまたまた遮られる。
コンコン、とノックの音。
返事をすると、お母さんがいた。
「皆、お話中にごめんね。永遠子、これ、凄く綺麗な男の子が家に来て届けてくれたのよ。」
すごく綺麗な男の子に反応してか、皆こっちに注目した。
そんな中、「じゃーん」とお母さんが取り出したのは、一輪の向日葵。
「ちゃんとデートの相手、いるんじゃない。」
そう言って帰っていったけど、いませんよ、はい。
『なんか……向日葵もらっちゃった。』
でも、誰だろう。
その向日葵には、大きな黒いリボンが飾られている。
急に、ドンっという音がした。
それはどうやら皐月とハルが立ち上がった音。
「捨てなさい!」
「いや、捨てるより燃やした方がいい!」
『え?』
「それ、志紀からだよ!」
「志紀からだ!」
『え。』