戦術自衛隊夜間訓練
「タダ飲み権争奪!ジュージャン大会~っっ!」

小暮が叫ぶ。

ジュージャンとは『ジュースを賭けたじゃんけん』の事だが、今回の場合は『飲み会の酒やおつまみの奢り』を指す。

小川分隊は全部で6人。

ここで負けた場合は、6人分の飲み代を奢らなければならないという事になる。

「一発勝負遅出し無し!じゃあんけぇんっ…!」

「ポイッ!」

一斉にジャンケンする小川分隊。

いい大人の戦術自衛隊員とは思えない光景だ。

結果は、小暮がパー、あとは全員チョキ。

「ちょい待て!もう一回!もう一回!」

「駄目ですよ小暮三等陸曹、一発勝負遅出し無しと言ったじゃないですか」

冷静に告げる小川が悪魔に見える。

「ちょうどいいからATM行って弾薬下ろして、PX(駐屯地内の売店)で色々買って来て下さいよ」

年下とは思えない豊田と麗華のパシリ扱い。

かくして先週パチンコですって財布の中に17円しか残っていない小暮は、PXへと走るのであった。

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