戦術自衛隊夜間訓練
2030時。

「お邪魔しまぁす」

駐屯地内隊舎、三浦の部屋に小川分隊の隊員達が集まった。

小川、谷口、小暮といった男性隊員が三浦の部屋に訪れるのは珍しくないが、麗華や豊田が来るのは初めての事だ。

特に麗華とは親密な仲になりつつある三浦としては、少々緊張するものがある。

「ほら、お酒買って来てくれたよ、小暮三等陸曹の奢り~」

豊田がビニール袋に入れられた缶ビールやおつまみを床に置く。

「こっちは『いつもの奴』だ」

谷口が置いたのは戦闘糧食。

通称『カンメシ』。

本来は演習中や作戦行動中などに食べるものだが、たくあんの缶詰は隊員達には好評で、演習終了後の酒の肴としても食せる為カンメシの傑作との評もある。

小川分隊でも飲み会の時には必ず持ち込まれていた。

< 8 / 30 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop