マリア様!



大体注目を集めてしまう私達が2人で話しているだけでスキャンダルなのに、ひろ君が変な発言を繰り返すせいで余計に注目を集めてしまっている。


「マリア様…責任取ってよ。」

ニヤッと妖艶な笑みで笑いながらそう言う彼に、不覚にも小さく心臓が跳ねてしまう。


性格がどんなに悪くても、顔が良いだけ損だよなぁ、なんて思いながらため息を吐く。


このままでは彼の思うつぼだわ…

どうにか、しなくては。


「なに?お金が欲しいの?」

ひろ君から一歩下がってそう言えば、一瞬驚いたような表情を見せた彼が、すぐニコッと笑って口を開いた。



「金?そんなつまらないものじゃないよ。」

その表情は、昨日見た化学女に向けた愛想笑いと似ている作りもののような笑顔で


「お金じゃなく、誰かでもなく、マリア様自身が———責任取ってよ。」

そう言った。



その瞳はまるで私をバカにしているようで。その言葉は挑発とも取れるようなもので。

試されているような、気がしたの。



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