マリア様!


「私自身で責任をとる?」

正直、なんでそこまでしないといけないのかという思いはある。

でもひろ君が言っている意味は…


「昨日、俺に少し惹かれたから微笑みかけてきたんだろ?」

「はっ、あんなのすぐに撤回したじゃない」


惹かれたからって何よ。
顔だけじゃない。あなた全てに惹かれたわけじゃないわ。

「惹かれたことは事実。ーーー俺が、マリア様を惚れさせてやるよ」


「は?惚れるわけないじゃない」

「そんなくだらない意地、すぐにぶっ壊してやるよ。惚れたらお前の負け」


「惚れた後はどうしてくれんの?」


「さー?その時考える」

「期間は?」

「1年」


1年って長いわ。
1年もこんな奴に付き合わされるなんてまっぴらごめんだわ。

「へー、ひろ君って1年もかけないと惚れさすことできないんだ」

ひろ君は
はぁ、と溜息をついて


「お前、ほんと口の数減らないのな」


そう言って呆れた。

これまでの人生がそうさせるのよ。お分かり??


「しゃーねぇ。半年。お前しぶといだろうからせめて半年。どう?」


「半年なんて私絶対惚れない自信あるわ。いいでしょう、引き受けます」


キャーッとクラスの女子が騒ぎ始め、私のファン共が動揺し始める。


早速、スキャンダルを出してしまったわ。こんなの、新聞部にすぐ情報が伝わってしまう。


「よし。今からだ」


ひろ君はニヤッと笑った。






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