マリア様!
何そのベジータみたいな顔。
何この展開。
実におもしろい。
こいつに勝って、徹底的にプライドをへし折ってやるってすごく燃えるじゃない。
私もピッコロ顔を作る。
「今からって、どうするの?
ほら、今から惚れさせられるもんなら惚れさせてみれば?
私があんたに惚れる妄想してニヤついてたって
私はこれっぽっちも惚れないわよ?」
そう言い終わった直後、
キーンコーンカーンコーン
チャイムが鳴った。
しめた。
「あっら~?
チャイムが鳴っちゃいましたわね
今から?
残念、私を惚れさせたいのなら、
授業の後にいらっしゃいな」
とりあえず一勝を確信して、奴を見る。
「…?」
ベジータ顔が崩れる様子が全くない。
「だから、今からって言ってんだろ
男に二言はねぇ、つって」
「は?」
ぐいっ
私が眉をしかめたとほぼ同時に、
奴に腕を引っ張られた。
「ちょ、気安く触んないでよ!!」
私のできる最大限の罵倒をしてみたが反応がない。
そのまま奴に無理やり手を引かれて教室を出てしまった。