エデンの林檎


あぁ…そのことか…。


やっぱりもう…


外部受験の人にも知れ渡っているのかな…。


「うん…。


やっぱりもう…


私のこと、外部の人も知ってるの??」


「さぁ??


オレはただ女子が話してるのをチラッと聞いて、


学園のしおりの理事長の名前見たら


"星野 琢人"って書いてあったから


確信に変わっただけだ。」


「え…それだけ??


噂で、とかじゃなく??」


「オレ、噂聞かないし、信じないから。」


「そ…なんだ。」


「わかったら早く手動かして終わらせろよ。」


すると松本君は立ち上がって帰る準備を始めた。


「え…松本君??」


「オレもう自分の分終わったから帰る。」


「えっ!?!?


帰っちゃうの??」


「あぁ。


自分の分は自分で持ってくから


星野も自分で持ってけよ。」

「うん、わかった。


松本君、バイバイ。」


帰って行く松本君の背中にそう言うと、


松本君は私に背を向けたまま


軽く手を挙げて帰って行った。



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