エデンの林檎
それからオレは高三の時に日本に帰って日本の高校に編入し
そのまま大学に進学した。
大学に進学しようと決めた時、
音楽科のある大学に行って音楽の先生とかピアノの先生になろうかと考えた。
その時のオレは音楽の道を諦めきれずにいたんだ。
だからいろいろ考えて担任の先生にも時間があれば相談してた。
そしてある時先生が言ったんだ
『本郷はピアノを職業として続けたいのか??
それともただ弾きたくて続けるのか??』
って。
それを言われた瞬間、本当の自分の気持ちに気付かされた。
オレは職業としてピアノを続けたいわけじゃない、
ただ純粋にピアノが弾きたいから続けてるんだって。
どうせ、ピアノを職業にしても父さんの存在が有る限り
『本郷 奏音』として世間は見てくれない。
じゃあ、趣味でピアノは続ければいいじゃん。
そう考えがまとまった瞬間、気持ちがスーッと楽になった。
そして決めたんだ。
迷っていたオレの道標になってくれた先生のような教師になろう
って。
こうして、今のオレが出来たんだ。