エデンの林檎
「先生、先生。」
私は先生の指が止まるタイミングを見計らって
トントン
と先生の肩を叩いた。
すると先生は驚いた顔をして
私を見た。
「ビックリした。
星野か。
終わったのか??」
「はい。
先生は何を弾いてたんですか??
すごく真剣でしたけど。」
「あぁ、コレか??」
そう言って先生は
私に一枚の楽譜を見せてくれた。
「コレ…何の曲ですか??」
「コレは……
オレが作っている曲だよ。」
「えっ、先生が??」
「そう。
作曲のコンクールに出そうと思って。
オレ、やっぱり音楽が好きだからさ、
ピアニストとして音楽が出来ないなら
じゃあ、別の物で音楽を作ろう
って考えた時に思い浮かんだのが作曲だったんだ。」