彼からの贈り物~夢を見続けて~
目の前には、白色の天井。

周りにはいつもと変わらない部屋。

私の周りは時が止まっているように、何も変わらないものばかり。


そこに一つの足音が近づいてきた。

その足音は部屋のドアの前で止まると、コンコンとノックの音がした。


「琴乃・・・いる?」

聞こえた声も、いつもと変わらない低い声。


私は返事をせずに、ドアの方に目をやった。

ドアの前の人物は返事がないとわかると、話を続けた。


「琴乃いるんだろ?

あのさ・・・決めた?


琴乃には書道を続けてほしいんだ。

あの頃の琴乃に戻ってくれよ。」


これも変わらない言葉。

一昨日も聞いたよ。なんて思いながら、布団にもぐりこんだ。




< 2 / 4 >

この作品をシェア

pagetop