俺と君の現実論

ずず、と鼻水をすする。

うん、これは寒いからだ。気分が下がり気味なのも俺が寒がりだから。手先や足がジンジンと痛むのも寒いから。

でも、視界がぼんやりしてるのはきっと、心がズキズキと痛むのはきっと…。


「……ハルキのせいだから…」


ハルキがっ、あんなっ、害虫ヤローと話すなんてっ。
俺だって彼女とっ、いっぱいいっぱい、話したいのにっ…!


「っハルキのっ、せいだからぁぁ~…」


ハルキに必要とされないなら、俺のほうが無価値な人間だ。

だったらいっそ、ここで死んでしまおうか。


耐えきれなくなり、うつ向いて涙を流す。しゃがんで木に寄りかかると、このまま眠って死んでいけるかな、と。

冗談どころか本気で思ってしまうほどに。


「はるっ…ハルキの、バカぁぁ…」


君が、好きだったのに。
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