俺と君の現実論


一面の銀世界。それを見下ろしながら下へ下へと滑っていく。

重心を前にし段々とスピードが上がり周りの景色が流れていくのを横目に、段差のついた雪の上で飛ぶように体を伸ばす。


「っ…気っ持ちいいーっ!」


俺たちは今日、某スキー場でデートをしています。

ハルキとデートなんて久しぶりだっ!


「ハルキっ、ハルキぃーっ!」


名前を呼びぶんぶんと手を振りながら愛しの彼女のもとへスノボを滑らす。

そこではモコモコのあったかそうな服に身を包んだハルキがこちらを見ていた。

何これ可愛い…!
すっごく抱きしめたい…!

近づくなり、思わず彼女を抱きしめてしまう。


「ちょっと…、離れてください。いきなり抱きつくなんて相変わらずあなたは無礼極まりないですね」

「ハルキが可愛いのがいけないんだ」

「何言ってんですか」


呆れたように見上げてくるハルキ。
上目使い可愛いなあ。
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