俺と君の現実論

「ハルキってば優しいなあ。つまり、一生傷つけないってことでしょ?
俺が浮気しないって知ってるくせに」

「別に。浮気しなくとも馴れ馴れしい女がいれば潰すまでですよ」

「おお怖い」


肩をすくめてハルキを見れば、彼女もほんのりと笑っていた。


「ところで、」


あれから食堂で昼飯をすませたあと、またゲレンデに戻ってきた俺たち。

何故だがハルキはニヤリと笑っている。


「私が少し害虫と話しただけできゅーさんがあんなに取り乱すとは。おまけに私に『バカ』とまで」

「うっ、あ、あれはその…」

「躾直したほうがいいですかねえ」

「いや俺はハルキしか見てないっていうか見えてないし他の害虫なんてクズ同然だしハルキが消えたら俺もハルキからもらったマフラーで首絞めて死ぬくらい愛してるんだよ?!」

「それは愛なんでしょうか…。なんにせよ、躾直しなんてしませんよ。あなたはもう十分、私好みに育っていますし」

「それなら…」

「ですが、食後の運動は必要ですよね」

「え?」

「セッ「ストップ待ってハルキそれ公で言う言葉じゃないからやめてぇぇええええッ!」
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