俺と君の現実論
「ハルキ、大好き」
「知ってます。…というか、今思ったのですが。あなたを一人にするのはマズイですね」
「なんで?」
「また私に嫌われたと勘違いするでしょうし、きっと」
「……(否定はしない)。だって俺、ハルキなしじゃ生きられないもん」
「もん、じゃないですよ。というかそれ可愛すぎです。あとで唇奪いますので、覚悟しやがれです」
「えええっ、どんだけ今日攻めるのハルキっ?!」
二人で寄り添いながら雪だるまを作る。ごてごてと不器用な雪だるまは不細工だった。
「勘違い…、いえ。妄想の私なんか相手に出来なくなるほど、現実の私に夢中にさせてやりますからね」
さりげなくキスをかましてくるお姫様にまた、自重してもらいたいと時々思う。
「もう、夢中になってるよ」
「知ってます」
妄想の君より、現実の君のほうが俺をいつだって惑わせる。
けど、そちらのほうが酷く愛に溢れてるじゃないか。