キモチを伝える
「なに、下向いてんの。」
そ、そりゃ…
緊張するじゃん。
それに、それに…
その瞳に引き込まれそうになるから。
「なぁ、何それちゃんと言ってよ。」
「ん〜……」
「ったく…くどいな。」
「え?」
ドンッ
「うっ……////」
ち、近いよ…
何これ、目と鼻の先じゃん。
「なぁ。何が言いたいの?」
鼻筋が通って、
真っ黒な瞳をしていて、
シュッとした、整った顔立ちが
いま、私の目の前にある。
「そ、それは…」
「俺、好きだ。」
「何が?」
「俺は…俺は
お前のことが好きだ。
…」
まっすぐ私の目を見て、
そう言った。
「嘘でしょ」
「違うし。」
「だって、坂本が私の……んっ…」
その時、
私の唇が温かい何かに触れた…
優しい感覚だった。
「それ、禁止。」
「……///」
私は何も言えなかった、
だって、
今されたことが " キス " だって分かったから…
だけどわかったと同時に、
涙が込み上げてきた。