愛してるの定義(ヒカリの直後)
はじめからおわりまで
迷ってる。
道路に座り込んだ結城を見て、思わず奈々子は近寄った。
身体から心が抜けてしまった、そんな顔をしていたから、声をかけてしまった。
結城の腕に抱かれると、コートが冷たくて、でも呼吸が首に暖かくて。
できるなら彼を幸せにしてあげたいと思ったけれど、自分にはできない気がした。
彼は寂しいだけ。
そんな気がする。
結城が身体を離して、奈々子を見つめた。
依然として不安そうな顔をしている。
「大丈夫ですか?」
そんな言葉しか思いつかない。
「大丈夫だよ」
結城が答えた。
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