愛してるの定義(ヒカリの直後)
「約束は本当だよ」
結城が言う。
奈々子は何も言えず黙り込んだ。
結城は更に不安そうな顔をする。
そんな気持ちにさせているのが申し訳なくて、
奈々子は思わず
「わかりました」
と答えた。
「それは一緒にいてくれるってこと?」
奈々子は再び黙り込む。
結城は奈々子の顔を見つめ、返事はもらえないと分かったのか、うつむいた。
でも、結城は手を離さない。
二人の指は一向に暖かくならない。
「暖かい飲み物でも、飲みに行きますか?」
奈々子は言った。
結城は救われたような顔をして、それから「うん」と頷いた。