愛してるの定義(ヒカリの直後)
二人は立ち上がった。
すぐ脇のコンビニに入る。
レジ横の缶コーヒーを手に取った。
手に暖かい缶を持ち、再び寒い道路に出る。
結城のマンションが見える。
すぐそこに、暖かな部屋があるけれど、あそこには行けない。
マンションのエントランスの階段に座って、二人並んでコーヒーを飲んだ。
彼の元を去るのが、早すぎたのだろうか。
もう少し彼の気持ちが落ち着くまで、側にいてあげたほうがいいのだろうか。
でも……。
これ以上側にいたら、余計につらくなる。
愛されてないと分かっていて、彼を愛し続けることなんかできるんだろうか。