泪
「…お前は、雪村昴が憎いのか」
「違うッ!!」
ガギンッ!という音がした。
水谷がボウガンを壁に射った音だ。
「あいつは変わってて、取っつきにくいけど、……いいやつだ。
だから嫌いにはなれない。
友達だから…。
でもさ、やっぱり、あいつのこと恨んでるんだよな…俺。
この船だって沈めてやろうとか思ってるし、そのまま結海のところまで行けたらとか、バカだな。死ぬのは俺だけじゃない、この船の乗客だって被害を受ける。
なぁ滝さん…。俺は、」
想汰は黙って水谷の次の言葉を待った。
しかし。
「「!!?…」」
大きな衝撃音と共に、天地がひっくり返った。