泪
「………っ」
思った以上の体重に、昴い歯を食い縛り耐える。
「……なぁ、思ったよ。やっぱり、お前はこうするよな」
水谷は泣きそうな目をしていた。
しかし昴はそれに気づかず、彼を支えることに必死だった。
「だから、俺はお前を憎めないだぜ?嫌いだけど、殺したいほど憎いとは思えないんだ。優しいお前だから」
「水谷……?」
「だから言うぜ。言って終わりにするんだ」
「水谷、今はそんなこと……帰ったらいくらでも聞くからっ…殴ってもいいから、だから」
「昴、ごめんな」
水谷は一度目を閉じて、スッと目付きを変えた。
それは、昴の苦手な目だった。