するとぽすっと頭に柔らかい感触。

顔をあげると、水谷が疲れきったような顔で昴の頭に手をおいていた。

「……バカだなぁ。はじめから、迷わずこうすりゃよかった。ごめんな、昴。それと」



見捨てないでくれて、ありがとう。




その言葉は声にならなかったが、昴には伝わったようで、昴は「どういたしまして」と微笑んだ。

その笑顔も、2年前出会ったばかりを思い出せばだいぶ上達したものだ。

 
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