それから結海に対して曖昧な感情を持ったまま、俺は彼女と同じ大学に入った。


そこで俺は失恋というのを知ることになる。


「ねえ、恵斗。雪村昴って子、知ってる?」

「あ?」

結海がそう聞いてきたのは、ちょうどテラスで飯を食っていたときだ。

「あー…知ってる。美人で頭もよくてクールな男子だろ?確かひとつ年下で……あっ、今いるぜ」

「え?どこどこ?」

結海がキョロキョロし出したので、あそこあそこと指差す。

 
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