そして半月ほどたち、結海はその雪村昴を俺の前に連れてきた。

「ねえ恵斗。この人が雪村君よ、美人でしょ?」

「…………」

「あー…まぁ、うん」


確かに美人だ。男だが。
しかし無愛想だ。がんばって表情を作ろうとしているようだが、かえって不自然すぎる。

そいつ、雪村昴はチラリと俺を見上げて「……こんにちは」と挨拶してきた。

つられて「ああ…こんにちは」と返す。

なんだこれは。

 
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