水谷は素直にそれを羽織り、ズズッと鼻をすすった。

「ああ…、まったくですよ。まぁあんたには何話しても信じてもらえないでしょうけど」

「信じるさ。今回はな。船幽霊か?」


水谷は少し驚いたように想汰を見上げた。

「……何とかしなきゃって思ってたら、なんか『腕』が俺の腕をつかんで、気づいたら海面にいました」

「なるほどな」


要領を得ない言葉だったが、それだけで想汰は納得したようだ。
しかし水谷は本当に納得してるのか?と胡乱げな目を向ける。

 
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