泪
第2章・海に語る
「合宿?」
どうせしょうもないこと考えてるんだろうとは思ったが、ほんとうにしょうもないことだった。
「ああ!楽しそうだろ?クルーズ船に乗って1週間の船旅だ。冬だけどな」
「でも…どうしていきなり?」
そうオズオズと手をあげたのは、大学一年の安部亜希子。
一見真面目そうなのに、なぜかオカルト研究会に身を置いてる。
それを聞いて、水谷は得意気に鼻を鳴らした。
「船幽霊だよ」