「起きろ。男に人工呼吸なんて気味の悪いまねさせるな」

それでも昴に反応はない。


「……俺の…せいだ」

水谷がギリッと自身で傷をつけた腕に爪を立てる。
微量だが血が流れてるが、彼は気にも留めない。

「…俺が、昴に死ねばいいなんて言ったから……」

「けど結局、雪村はお前を救って、お前は雪村を救っただろう。お前が気にやむ必要はない」

労うような言葉だが、その口調は淡々としていてまったく感情がこもってない。

 
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