「それに、きっと二人ともバカなんですよ。水谷さんも昴さんも」

亜希子は柔らかく微笑んだ。
水谷はしばし驚いた顔をしていたが、やがて目を瞬かせる。

ポトリとこらえきれなくなった水谷の瞳から涙がこぼれ落ちた。


「……ごめん。ごめん、昴。…助けてくれて…ありがとう」


しきりに謝り続ける水谷を無感情に見下ろし、想汰は昴に向き直った。

 
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