昴は足に力を入れて、二、三歩歩けたところでなんとか結海の腕をつかむ。

それがまだ自分にすがってるととったのだろう。
結海は首を横に振り、もう一度儚げに微笑んだ。


「結海」

昴は微笑み、一瞬だけ唇を合わせた。

離すと結海が驚いた顔で自分を見上げている。

思えば、自分からするのははじめだと思う。
いつも彼女からして、自分は赤くなったり慌てたりしていつも彼女は笑っていた。

 
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