泪
◆side神崎結海
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私の家は、とても複雑で、1から説明すると日が暮れて夜が明けるくらい面倒だ。
ざっと省略して離すと、私の家は裕福な家庭で私の母はよそから嫁いできた。
周りからは父や神埼家の財産狙いとかなんとか言われ続けて、日に日に疲れ果て消耗していく様子を私はずっと見てきた。
しばらくして、お母さんは家を出ていきその後の消息を絶ってしまう。
最後に見たお母さんは、全部の感情を削ぎ落としたような、能面のような顔をしていた。