翌日、あからさまに渋る昴をつれて私は船を貸してもらった。


もちろん運転手つきで。
お金だけなら困らないからね。

………家のこと嫌ってるくせに、こういうときは家に頼るしかないのが腹立たしい。


「……結海?」

いつの間にか怖い顔してたらしい。
昴は不思議そうに私の顔色を伺った。

私は首を横にふって微笑む。


「何でもないわ。さ、早く出ましょう!」

 
< 228 / 255 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop