昔お母さんとお父さんが離婚する前、一度だけ海につれていってもらったことがある。


あの時は、誰がなんというおうと幸せだった。

お父さんとお母さんと私が一緒にいる。

そんな当たり前なことができなかった私たちには、どんな状況、心境であっても私は一緒にいることに幸せを感じていた。


私にとって海は特別で、幸せな思い出を保管していく無限の宝石箱。

キラキラ輝く海は、美しく恐ろしい。


すべてを受け入れる優しさと、すべてを飲み込む恐怖。

それを備えたこの場所は、縁起でもないが人生を終わる場所としてはとても似合ってる。

 
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