泪
「……あの…すば…雪村さんは、行かないんですか?」
「うん、申し訳ないけど。オレは辞退させて」
「ゆきむら…すばる…と。よし」
「おい!?」
辞退すると言った直後に水谷の声が聞こえてきて、昴は反射的にツッコンだ。
慌てて確認すると、雪村昴、と参加名簿にきっちり書かれていた。しかもボールペンで。
「だから、オレはいいよ。あまり船好きじゃ」
「会長命令だ!
副会長は会長の意向に従うのが世の決まりだろ?」
「………そんな暴君みたいな決まり聞いたことないよ」
なおもNOの姿勢を崩さずにいると、いきなり両手をガッと水谷に捕まれた。