「だいたいなんだよオカルト研究って。
幽霊なんて人間が勝手に作り出した妄想だろ。人間の創造力は神様さえ産み出すほどだからな。居もしない存在を見えない恐怖を勝手にそこにいると信じて幻覚を見てるんだ。
ようは気の持ちようだろ?」

さすが心理学助教授。
ひどく現実的で、自分の持論しか信じない。
排他的だが、すごく生きやすそうだ。
その彼の生き方が、最近少し羨ましい。

「想汰さんは、幽霊とか信じないの?」

「ああ信じないさ。俺は現実主義者だからな。自分の目で見て居ると確認した存在しか信じない」

「……ツチノコとかも信じなそうだね」

「俺が信じないのは非現実的な存在だけだ」

「…、そう」

ピピピ…と食事が出来上がった合図が鳴った。
いったん会話を打ちきり、昼食を持ってくる。


 
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