泪
「そんなもの決まってるだろ?お前が船の上で、後輩の前で醜態をさらさないようにと俺なりの配慮だ」
「船酔いした経験ない」
「船乗ったことないからな」
「……………」
なぜ知ってる。
想汰は頬杖をつきながら、トントンとコップを指で叩いた。
俺のも汲め、という意味らしい。
内心でため息をつき、昴は素直に麦茶を想汰のコップに注いだ。
「お前の専属カウンセラーとして患者が具合を悪くしないように心を配るのは当然だろう?」
「…でも、想汰さんは会員じゃない」